多読やっても効果ないと感じる原因とは?

さて、今日は読者から「多読」の効果についてのご質問を頂きました:


「多読」についてどう思いますか?

うちの学校では多読に力を入れていて、僕も100万語読んだのですが、まったく英語ができるようになった実感がありません。多読は効果がないのでは?と感じています。


多読トレーニングについては、ほとんどの英語教育者が「効果があるからやった方が良い」と言っています。もちろん、私も「やった方が良い」と思います^^ ただし、気をつけるべき点がいくつかあるんです。

読む英文の種類(内容・レベル・語数等)
学校で読まされたとのことですので、おそらく小説とか文学作品のようなものを多読に用いたことと思いますが、実はここが大きなポイントとなります。基本的には「自分が興味・関心を持てるもの」を選ぶことが重要です。自分が興味を持てないもの、関心がないものを何万語も何百万語も読もうと思っても、かなり辛いです^^;

従って、自分が興味のある分野で「楽しみながら」読めるものや「文章に引き込まれてしまう」ようなストーリーのものを選ぶようにしましょう。学校で決められているのであれば、ちょっと難しいかも知れませんね。レベルと語数については、現在の自分のレベルで辞書なく簡単に読めるもの以上のものにします。簡単なストーリーを勧める人もいますが、私の経験上、自分のレベルより常に少し上のものを選ぶ方が効果的です。

これは、多読であっても脳に常に刺激(負荷)を与える必要があるからです。逆に言えば、簡単に読めるものを何百万語読んでいても、英語力は向上しません。負荷がかからないからです。これは筋力トレーニングと同じ原理ですね。

読み方(辞書をまったく使わないのか、使っても良いのか)
これもよく聞かれるのですが、一般的な多読トレーニングでは辞書の使用を禁じていることが多いです。脳に負荷がかからない程度の簡単な英文であれば辞書を引かずに読み進めても大意は掴めるのですが、ちょっと負荷をかけようと思って、やや高めのレベルの英文を読もうとすると、やはり辞書を引かずに読み進めるのは難しいものです。

従って、私の推奨する多読トレーニングでは辞書を引いても良いとしています。もちろん、これは「精読」ではなく「多読」ですので、すべての単語の意味を調べていては大変なのですが^^;、重要なキーワードとか、ここぞ!という語で不明なところのみを辞書で調べます。英英辞書を使っても良いですね。すると、脳に負荷がかかるレベルの英文であっても読み進めることが出来るようになります。1ページあたり数語だけ意味を調べるだけでも理解度はかなり上がりますので、読み進めるのが苦痛に感じている人は試してみて下さい。]

強制的に読まされているか、そうではないのか
これも重要ですね。学校では強制的に読まされていると思うのですが、当人が少しでも「苦痛」に感じていたり「つまらない」と思っているのであれば、多読のトレーニングはほとんど効果がなくなります。これは何でもそうですが、やはり「楽しい」「もっと読みたい」「知りたい」と思っている時、人間は色々な意味で知識欲・理解力ともに旺盛となっていますので、結果的に身に付くわけです。しかし「イヤイヤ読まされて」いたり、「つまらない」「退屈だ」と感じたりしているのであれば、ほとんどの場合多読は機械的な作業(ルーチンワーク)化しますので、逆効果となります。

ただ、一つだけ「強制的」に読まされることが結果的に功を奏することがあるのも事実です。例えば、私は学生時代よりも翻訳者として仕事を始めてからの方が英語の読解力が格段に向上しました。それは、イヤイヤの仕事であっても、毎日何十ページもの英文を強制的に読まされた結果なのです。そういう意味でも、「強制」が決して悪いわけではありませんね。ただし、「強制的」に読まされるのであれば、それこそ翻訳者のように信じられないくらいの量の英文を文字通り「多読」する必要があるかも知れません。

一般の人はそこまでする必要はないですから、先に言ったように「楽しみながら」やることを一番に考えて下さい。ご質問への回答としては、「多読は実際のところ効果はあります。ただし、上に挙げたようなコツがありますので、注意して行ってみて下さい」ということになります^^ 学校以外でも、自分でやってみると良いと思いますよ。ぜひ試してみて下さい!

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2010年6月4日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:リーディング

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